精神科医と親の共同虐待

最近フジテレビに出たり、サピオに取り上げられたりといったことから、何の知識もない家族がたくさん受診してくる。もしかしたらあらかじめこのブログくらいは読むかもしれないだろうから、ぜひこういうやくざな医師にかかろうとすることを自覚して頂きたいと思う。


私のところへ親子でかかる患者さんがいたとしたら、当院ではその段階で親の虐待を指摘され、「精神科医と親の共同虐待」、もしくは「隠れ虐待」と呼ばれる。最初が当院なら虐待とまではいわれないが、厳しく指導されることには変わりない。初診時にかかった理由が、親が何かおかしいと思ったから連れて行ったならなおさらである。保健士にいわれたであってもカウンセラーにいわれたであっても同じである。百歩譲って最初はそれでかかってみたとしても、そこで異変に気づかなかったり、長年にわたり投薬を受け入れてきた親はすべて同じ扱いである。何十年も前ならわからなかったですまされようが、この数年は反精神科的活動も、すぐに検索できるほどの時代なのである。

二次的に来る親子であるなら、親が虐待してきたことを認められない患者はここにはかかれない。大体半数はここで消えていく。「何故私たちが責められねばならないの」とか「むかつく」という理由である。もし真剣に子供のことを案じているなら、自分が責められても通院しようとするわけで、ここですでに親の本心が知れるというものだ。逆に言えばその事実関係を認定して、親が子に非を認めれた場合は、いくらでも診察している。もちろんここには親だけにすべての責任があるわけではなく、本人の馬鹿さ加減についても指摘される。説教外来と呼ばれるゆえんであろうが、当院とはそういうヤバいクリニックであり、最初にここまで気分が悪くなる病院は、そう多くないことを知ってからかかってほしい。

親がどうあるべきかについてはいろんな観念があるだろうが、真に親たる存在というのは、子供や家庭を守ろうと努力するものだと私は思う。しかしその「守る」という言葉をはき違えているものが、世の中にはどれだけ多いのか数え切れない。甘やかすことが守ると同じだと考えている親、厳しくしつけることだけが守ると考えている親、金銭的にサポートすることが守ると考えている親、人間関係の問題を精神科に持ち込むことが守るだと考えている親、精神科医の言葉を疑わないことが守るだと考えている親、薬を飲ませてコントロールすることが守るだと考えている親、そんな話ばかりである。

精神科に子供を連れてくる親というのは、自分自身が全く適応能力や対処能力がゼロであることを理解できていない。だから答えをすべて精神科医に求めるし、対処能力がゼロであるから薬によって無理やり押さえつけることを好む。教育や指導法も一貫してどちらか(甘やかすか厳しいか)に偏っているし、そもそもろくな教育がされていないケースが多い。また指導自体が、すべて社会に従わせることや親に従属させることを前提として行動している。子供はそういうことに敏感だからいずれの場合にしろ親を嫌がる。そしてそのことにさえ気づいてない親が、「連れてくる親」には多い。

また百歩譲って「どうしようもない時」があると仮定しよう。しかしその「どうしようもない時」はどのような意味で「どうしようもない時」なのか。親のいうことを聞かないというのは「どうしようもない時」ではない。親に暴力をふるう時も「どうしようもない時」ではない。トラブルがあっても理由があればそれは「どうしようもない時」ではない。パニックを起こすのは「どうしようもない時」ではない。もし「どうしようもない時」の状態が精神病だというのなら、診察室で会話が成立すればすでにそれはどうしようもない状態ではない。それを精神病ではないかといって連れてくる親の罪は重い。

私とてCCHRの人間ではないから、薬を全否定はしない。だが診察室で会話が成立しないレベルの患者さんが、一体何割いるというのだろうか。概算でも1%以下だろうその人になら、私も向精神薬を投与するかもしれない。しかし親が連れて来た人で、そのレベルだという人をほとんど見たことがない。そのレベルであっても、最初に精神科にかかり出した症状はショボイことがほとんどだ。

親子の問題はどこまでいっても親子の問題であり、社会的な問題はどこまでいっても社会的問題である。それを医学が肩代わりしたり精神薬が肩代わりするなどできるはずがない。もしそれが肩代わりできているとすれば、それは多剤療法など、薬によって何もできなくさせられているに他ならない。個人の自由や権利を考えれば、それは終身刑よりも重い罪を背負わされていることになる。それを精神科医と親の虐待と呼ばずしてどう呼べばいいのだろうか。個人主義がなくファシズム的な日本だからこそ今でも残る、最悪の習慣だろう。


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No title

事件の裏に女あり、と昔の刑事さんは言ってたらしいですが、先生のおっしゃる精神医療被害の背後に精神科医と親による共同虐待があるというものの見方、当たってると思います。

No title

虐待っていうけど・・・・。どうしようもないってことは無いって言われるけど、どうしようもなかったよ。
 しかたなく精神科に頼ってしまった。
 今の情報化時代だったら違った生き方もできたかも、

No title

確かに自分では病気だと思ってなかったけど、連れて行かれたな。
今でも病気だとは思ってない。常識的行動ではなかっただろうけど。

http://serafumiko.blog27.fc2.com/?no=111

天からの声について

No title

毒親たちが多くて。。。
プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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