東日本大震災と原発事故を振り返って

もうすぐ東日本大震災から半年がたつ。原発の放射能漏れは徐々に収束へすすみつつあるが、残された課題は重いようである。様々な意見が乱立し、どの意見やどの理論が正しいかもわからない状況であるが、地震と原発に対して個人的な意見を綴ってみた。

9月6日(火)8:00~9:54「特ダネ」で精神医療の特集があります。
コメンテーターは医療ジャーナリストの伊藤隼也氏で、民放初でか
なり踏み込んだ内容になっています。興味ある方はぜひご覧になっ
てください。時間が不明なのですが、特集なので後半かと思います。
先日NHKの歴史ヒストリアで今村明恒の話をやっていた。彼は古代の調査研究をもとに関東大震災や東南海地震を予想した人物である。しかし彼の警告には「世を騒がせるだけだ」という批判が巻き起こった。その代表者が上司で教授の大森房吉であり、大森は確たる証拠がない以上は無用な混乱を避けるべきだという、世間に対する責任感に突き動かされていた。しかし結果として地震は起きて大森は自責にうちに死去、今村は私財をはたいて戦時中も研究を続けたという。地震が起きるまで今村のあだ名は「ほらふき」であった。

私にも大森の気持ちはわかる。しかし彼は人間を不安にさせてはいけない、という前提(ここが間違っているのだが)から行動を起こしたがため結果上失敗した。今村も確証はなかったはずであるが、不安を持つのは当然である一方、それに対してできるだけ多くの知識を集め、皆で備えようというスタンスで臨んだ。しかし彼も成功したわけではなくその啓蒙は実らずに多くの人が犠牲になった。

今回の地震自体は終わったが、また必ず東南海地震や首都直下型地震は来る。スマトラのように数カ月後に来ていないのは幸いであるが、いずれ地震が来ることは避けようのない事実だ。そして人々が抱える不安とは、自らの身を守る本能のようなものである。そこから逃げることは簡単だが、目をそむけず対策を練るしか、被害を小さくする方法はない。薬を飲むのもシャブをうつのも逃げている点では変わりない。これは原発についても同じことが言えよう。

いまだに原発や放射能については安全論と危険論が対立している。残念ながらこのどちらにも明確な根拠はない。チェルノブイリを例に出そうが、放射能実験を例に出そうが、各国の被ばく状況を例に出そうが、明確たる因果関係の立証が保たれないため、双方の意見を確実に否定しうることができないからだ。また調査する団体や人によっても調査データの取り方が非常に異なるし、国によってはデータが改ざんされている例も多数あるため、何を信用していいのかはっきりしない。

私の個人的意見として原発や放射能が危険であるということに変わりはない。小出助教授のように福島全部が住めないとまでは言わないが、毎時10とか20μSVの場所に住むことを決してすすめはしない。そのような場所は福島県のいたるところに存在するようだ。あえて暴言を吐けば、そのような環境で人が住むことは人体実験をしているに等しい。個人の選択に口出しはできないが、放射能とは癌だけではなく免疫、精神、体力そのものに影響を及ぼすわけで、何ミリシーベルト以上だから癌の発生率が増す増さない=だから危険、安全という話自体がナンセンスなのだと思う。

そもそも線量計ではかれる放射線は一部のものに過ぎない。詳細は自分で調べていただきたいが、内部被曝といった問題もある。×4理論というのがあるのだが、私の記憶が正しければこれは武田教授が唱えた話で、計算される通年線量に4倍はしないと正確にはならないといった類のもの(間違ってたら誰かご指摘を)。4倍で正しいのか私にはわからないが、子供の場合は大人より更に感受性が強いので(一般的には3倍らしい)、どうなるのか予想がつかないし、これで安全を信じろと言われても私には無理だ。

おりしも甲府の病院で子供に放射性物質を過量投与する問題があった。84人に投与されうち40人が10倍以上だった。 これは生涯の推計で平均約30ミリシーベルト。多い子で150ミリシーベルト以上に達する。 ここでも検査直後に被害はないという、懐かしいフレーズが使われた。放射能安全論者はこの子たちも安全と言ってもらわないと困るのだが・・・今のところそういう論調はなさそうだ。

例え大丈夫というデータがあったとしても、その大半はマウスとか細胞採取などによるものであって、実際の人間ではない。劣化ウラン弾や使用済み核燃料によって、各国で被害が相次いでいるが、それでも安全とか問題ないとか言われている。それはつまり根拠やデータそのものが専門家や国によって容易にすり替えうる、ごまかしうるということである。

精神薬でも同じことが言えるが、こういう危険なものを扱う時に、危険ではないということを前提に論理を組み立てることは、危険管理上最も危険を伴うという皮肉に至る。原発で想定外とか言いまくっていたのと同じ。もしかしたら危険論は20年後には間違っているかもしれない(今は高線量のところに住んでいる人が少ないので検証が難しいが)。しかしそれでも危険論を唱えた方がまだましである。人間や権力者の欲望や体裁は骨の髄まで容赦なし、私はそう思う。
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No title

うろうろドクターさんという方のブログで、ちょっと精神医療問題について普通の医師の方に知らせてみました。

それとは別記事でこの甲府市立病院の話題についてもいろいろ議論されているようです。

ご参考にどうぞです。

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プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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