覚醒剤と麻薬と親

最近似たような話が多い気がする。ネタがなくなってきただけだろうか、今でもそういうケースばかり見かけるからだろうか。しかしいつもこの話をきいて怒りしかこみあげてこないので、前書いたような話を書いてみる。

とりあえずこの一年間で患者さんを振り返ると、いわゆる統合失調症のホンモノとでも呼ぶべき症状を持つ患者さんは、極めて少ないことが思い出される。みなノイローゼや抑うつ状態の範囲内で、飲まなくて済んだところに薬を飲んでからおかしくなっている。そしておかしくなっていく人たちのケースには、みな親や家族が絡んでいる。親がおかしいと思って精神科に連れていく、精神薬を飲ませる、入院させる、何の疑いもなく悪くなっているのも無視して医師に従う、薬で鎮静されているのは親が楽だから、というケースしかない。そもそも親や家族という相談者がいるのに、なんで精神科に連れていくのだろうというのが一般人の発想だろうが、そりゃそうである、そういう患者さんの親たちには、子供の苦悩を解決したり受け入れる能力がないからだ。ないから他力本願で精神科医にいくしかなくなるのだ。これは直接の親から子への被害がなくても同じ、例えば子供がいじめられていたという時に、そういう親は病院へ連れてこない親とは、天と地ほど対応が違う。

彼らの言うコメントには一つのパターン、時系列がある。最初は本人のためだから、患者のどこどこが悪いから受診しよう、薬を飲んでみてというありきたりの話である。しかしこの時点でお前(親)のせいでこうなってんだよと思っている患者も少なくない。最初の症状など他愛もないことがほとんどであるが、親には聞く気や受け入れる気などさらさらあるはずもない。そうして大半は精神科の実情を知らないのでのこのことついていくわけだ。

そうすると次にはこの病気は一生ものだから、ちゃんと薬を飲みなさいという話につながっていく、精神科の先生が言ったから、あなたおかしいから病気っていう先生の診断には間違いないわ、みたいな話になる。診断がついてこの病気は親の育て方が原因じゃないよといわれ、喜んでいる親ばかりである。この時に患者がおかしいのではなく、自分がおかしいとは親の誰一人として思わない。自分の不安はみな患者の薬に転嫁されていき、この子が何かしでかすのではないか、皆に迷惑をかけるのではないかと不安だから、薬を増やしてくれと頼む。このことには大いなる矛盾が潜んでいる。不安なのは親でありそんなに薬が信用できるなら親が飲んでいればよい。それを子供に飲ませることで、行動を操作して自分達に都合のいい行動をしてもらうよう、コントロールしようとする、それが薬を飲ませるという本質である。犯罪がいいわけではないが、犯罪を自分で選択した時、それは本人の責任であって薬を飲ませようとするたぐいのものではないはずだ。

ある相談者ではこういう話があった。「私が犯罪をしたり悪いことをしたら、警察に捕まえさせてほしい、でも薬だけはもう飲みたくない」至極まっとうな考えだ。自分の感情をコントロールできない未熟性を理解しながら、それでも自分は疾患ではなく人間として扱ってほしいと懇願している。ここまで本人に言われて、はじめて家族は自分達の過ちに気付いたらしい。こういう親たちの時系列というのはいわゆる薬の大罪に気付かなければ、大体同じ形を迎える。いわゆるブレた時や行動がおかしい時、調子が悪い時や周囲の体裁が気になる時や地域の目が気になる時に、落ち着いてほしいから、不安がなくなるように、我々(親)が大変だから、という理由で薬を再度増やすのである。そもそも自分達が飲ましたというのに、患者たちが多くの親を恨むのも当然のことだろう。これは患者会と家族会の構図と全く同じだ。

精神薬の本質を考えれば、禁断症状やブレて発狂することなどある意味当たり前である。皆さんも映画やテレビで縛られながら覚醒剤の禁断症状と闘い、やっとの思いで抜いていくというシーンはみたことあるはずだ。そしてここで離脱症状なり禁断症状なりブレなりという言葉を持ち出して、また同じ薬を投与したり違う薬を投与することは、本質的にはまたシャブを注射して落ち着かせているのと全く同じである。こんなものにうまいやり方などあるはずはない。それでも工夫はするのだが、「最後は根性」っていうのは親の覚悟が問われているからいうのだ。

私自身には患者さんに対してそんな覚悟はさらさらない。そんな奴が言うなと喜びそうな人がいそうだが、私がその覚悟を向けるのは私の子供や伴侶やよく見積もっても親までだからである。自分の子供にだったら24時間と全財産をささげても別にかまわない。まあ義兄弟の杯を交わした友人くらいなら同様の扱いはできるが、それ以外の人間にそんなことできるはずもないし、してはいけない。もしそれで助けてしまったら、親は一生自分は正しかったとのたまうだろう。医療者やボランティアはつぶれ、それでもその親たちは、助けようとする人達をまた食い物にさえする。だからその責任は当然本人とか、本人以上に家族に向けられればならないのである。そして病気を経験した者にしか分からないとか理解してくれないとか、安直な答え・・・精神病などという存在さえ全く不確立だというのに、一体そのことにはどう答えるのか?

日々薬を飲まないで生きている普通の人々は、別に何の苦しみも悩みも不安ももってないわけじゃない。皆同じか、精神科になどかかっていない人たちは、より大きなストレスや責任やプレッシャーを背負っているのが常である。そしてその人たちはその不安を精神薬以外で何とかする方法を知っているだけにすぎない。親が有害ではないから自然治癒するだけなのである。
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No title

精神科に通わせる親は本当に有害です。
子供は親を選べないので、有害の親のもとに生まれた人は気の毒ですが、親が変わらなければ子供は救えない現実を多くの人に知ってもらいたいです。
精神科に通わせる親は、自分たちの異常さに気付いていないので、まず無理でしょうけれど。

大変説得力がありました

医療とは本人の治癒を助けるものであり、また調子が悪くなった本当の原因を見つけて処理することで再発を防ぐものだという、当たり前のことを再認識させられました。

そこからずれて無責任な生き方を助長する「医学」は、本当の医学ではないし、治療にはかえって有害と思います。

No title

内海先生の読みもコメントを追加した方の意見ももっともだと思います。患者は親と医師の二重被害に遭って薬害にも苦しむ。誰にも理解されず完全にどつぼに嵌ってると思います。

No title

この子はとってもいい子だった→親に逆らわない子だった。
手がかからなかった→親はなにも教えなかった。
人が苦手だった→親に接し方を教わらなかった。
いじめられて苦痛だった→親は知りもしなかった。
全て精神科医のせい→親は何も悪くない。
後遺症がある→親は何年もほったらかしだった。

No title

☆もしあなたが悟らなかったら、この世界はいったいどうなるか。

あなたは不幸を生み出す。
意識的に不幸を生み出しているわけではなく、あなたこそが「不幸​」なのだ。
だから何をしようとも、あなたは不幸の種をまわりじゅうに播き散​らす。

あなたの望みには意味がない。
あなたの存在こそが重要だ。
自分では他人を助けているつもりでも、実際のところはあなたは邪魔している。
自分では愛しているつもりでも、実際には相手を殺しているかもしれない。
自分では教えているつもりでも、実際にはそれによって相手を永久に無知にしているかもしれない。
あなたの願い、あなたの望み、あなたの考えは重要ではない。
あなたの在様(ありよう)こそが重要だ。

わたしは毎日そこらじゅうで目にしているが、人々は互いに愛し合いながら、互いに殺しあっている。
自分では愛しているつもりでいるし、相手のために生きているつもりでいるし、自分なしでは、家族や恋人や子供や妻や夫が不幸になるだろうと思っている。

ところが実際は、その当人がいるからこそ不幸がある。そして、努力していろいろやってみるが、何をやってもおかしくなる。

それはあたりまえだ。自分がおかしいからだ。行為はさほど重要でない。行為の大本となる存在こそが重要だ。悟っていない人間は、​この世界を地獄にするばかりだ。もうすでにそうなっている。これこそ、あなたをめぐる現実だ。あなたの触れるところ、どこでも地獄が出現する。

悟っていれば、何をしようとも、何を言おうとも、あるいはなにをしなくとも、その存在が助けとなって、人は開花し、幸福になり、​至福に満ちる


(空の哲学/和尚/市民出版社p322-344から引用)

No title

先日ある人に教えられて見ましたよ。ちょっと気持ち悪いですね(-_-;)

私は別にほじくり返したいとかではなく、別のあるベンゾ系掲示板が閉じるため挨拶するときに、あらかじめ出したほうがいい話だから載せただけなんですけどね。その掲示板である人が私のことを書き込んだことを知るまで、彼のことは興味から飛んでいたのですが・・・
アシュトンマニュアルについて書いたテーマもそのころで、つながりがあるからやったのです。

彼のようなAS系の執着気質だと、一生起こったことは覚えていると思いますが、私のようなHD系の場合、そういうことは抜け出ていって、新しいもっと重要なことが頭を占めるようになります。彼が書き込んだ時一番感じたのは、否定されて自分の意見が通らないことに腹を立てているというAS系に特徴的な印象です。これはCCHRなどとはだいぶ違う。このことはだいぶ内部を知らないとわからないでしょうが、そういう団体ってのはいろんな意見があって当然、ということを前提にしてますから。この世界で患者でも精神科医でも全部に言えることは、自分の意見を押し通そうとすることに躍起であるということです。別に彼に限った事じゃありませんが・・・

ま、 どんな形でもいろんな薬害問題がクローズアップされることはいいと思います。私の意見が理論などではなく結果によって否定されるよう、彼には頑張っていただきたいです。

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No title

緊急で情報を一つ。
某テレビで多剤大量療法の問題を放映してくれるかもしれません。
そこで緊急にそのケースを募集するそうです。
私が嫌いな人でも直接テレビ局の方を紹介しますので、心配無用です。

条件としては
投薬された人が子供(できれば中学生以下、せめて高校生まで)であること
多剤療法であること
その薬を抜いて現在良好であること
投薬にかかわる記録があること
子供が同意していること
テレビに出てもかまわないこと(もちろんモザイク、変声などすべて行います)

どの思想の方でも別にかまいません。ネット内にこの情報を流す許可はいただいています。
本気でこの取材を受けたいと思われる方はushiku.touyoui@gmail.comまで連絡ください。

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No title

親の問題をとりあげてくれて
ありがとうございます。

精神疾患は有害な親が原因なことが多いと思う。

風の強い日さんがブログで告発してたけど、
家族会なのか、くじら会なのかわからないが
「当事者の傷口に塩を塗りこんでいる」
「健常者の世界ではいいひとだが、
自閉症圏の心象風景を全然わかっていない。」

とか、私も共感します。

盛んに、当事者の会やら親の会やら
がんばっている家族がいるけどさ、
そこの子どもも当事者会に参加してるのか、
子どものことはほったらかしなのか、
患者の立場からだと疑ってしまう。


交流会と称して、親の気晴らしやら、信者獲得の普及活動だろ。自分らの子供のためにやってるわけじゃないだろ。
プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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