東京都監察院のデータ

先日薬害問題に取り組む方や弁護士さんなどと会合する機会があった。そこででた東京都監察院による薬物中毒データの内容と、それに関する考察を書いてみたいと思う。実際この話はだいぶ前から、知る人には当たり前の話であったが、この前の会合ではまだまだ知らない人が多いと実感したので、紹介する次第である。

内容を簡単に説明すると、東京都において5年間に605人の方が薬物中毒により亡くなっていて、そのうち87.9%が医療用薬物中毒により亡くなっているという事実である。ちなみに違法ドラッグは6%程度。つまり単純計算すると一年で100人くらいの方が東京都で亡くなっており、全国にあてはめてみれば1200~1500人程度の人が薬物中毒により亡くなっている計算になる。ちなみにこの数字はODや自傷行為を伴ったものは一切含まない。すべて静かに亡くなった方のデータであって、不審死として取り扱われたものだけである。

そのうち解剖により検出された薬物(要するに強力な薬物)の上位は以下のとおりである。
一位 フェノバルビタール(フェノバール)
二位 塩酸クロルプロマジン(コントミンなど)
三位 塩酸プロメタジン(ピレチアなど)
四位 カルバマゼピン(テグレトールなど)
五位 レボメプロマジン(レボトミンなど)

これらは単剤で投与されたときに薬物中毒死するというより、複数種で投与された場合に相互作用で命にかかわるというのが、データに示された内容である。またバルビツール系が非常に薬物中毒死にかかわっていること、また一位から三位までを含んだベゲタミンは単体でも相当危険であるという内容にもなっている。これはすごく納得できるデータであると同時に、薬を抜いてきた人間としては驚きを感じる結果でもある。

なにが納得かといえば、ベゲタミンやバルビツール系の強力な鎮静作用である。第二世代メジャーなどにこれらを睡眠薬として足された処方を数多くみてきたが、自分が知る限り脱抑制していた人は全くおらず、みんな過鎮静で、下手すると一日中寝ている。よく死ななかったねと外来で話したことは数知れず、実際これだけ鎮静すれば呼吸抑制でもなんでも起こりうるだろう。また抗うつ薬などとこれらが併用されているのもよく見かけるが、これも薬物代謝上さらに鎮静作用を高めるので、何が起こってもおかしくはなくなる。また神田橋系の医師が、テグレトールの超微量処方を発達障害などによく使うが、これ自体は薬物動態だけでみれば間違いでないことが、逆説的にも示されているといえるだろう。

逆に驚きというのは、被害を出している印象があるセレネースなどの古いメジャーや、第二世代メジャー、ジッタレスを起こす抗うつ薬系睡眠薬や、サイレースやドラールなどの強力なベンゾ系睡眠薬は、思ったより中毒死亡数が少ないことである。もちろんこれらの薬が怖くないということではないが、出現する副作用の内容がそれぞれ違うことが、このデータからも見えてくる。私が挙げた薬たちだと、どちらかといえば禁断症状とか認知障害とか強迫の悪化とか錐体外路症状とか、そっちの方が圧倒的に多い。つまりランキング上位の薬は殺そうと思えば殺せるような薬であり、後者に書いた薬たちは生殺しにできる薬たちともいえるだろうか??

今にして思えば、メジャーなどにコントミンを少量追加するのは、興奮が強い人や幻覚などが強くて困った時などによく用いられる手法だった。私自身もその処方を重んじている時期があったし、ベゲタミンを神の処方とあがめる有名精神科医もいた。その思想の根幹にあるのは、理由はさておき鎮静することへの医学的欲求と、医療化思想そのものに他ならないだろう。あらためて精神薬のリスクを思い知らされる。

ちなみに精神病院の入院患者はこの中に含まれていないので、結局この数字は氷山の一角でしかない。あるデータには日本中の精神病院から、一か月の健常退院数が200人であって、死亡退院数は1300人以上というのがある。一年だと死亡者数は一万人を超える。入院のほうが多剤大量療法になるのも、ランキング上位の薬を投与されるのも想像に難くないため、これらの大半が薬物中毒死である可能性が高いといえよう。

もう私には精神科を廃止する以外、有効な手だてが思い浮かばないくらいである・・・

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No title

こんなことが・・・・・

No title

精神科医の犯罪ここに極まれり。

もういやだ

私はこれらの薬を大量に7回はのみ救急で何度も運ばれた
どの薬剤にしろ最小量にしてください
もう、薬で自分を追い込みたくないです

No title

あはは、ここに書いてある薬はほとんど飲んだかも。今までに20種類は飲んだかな?ベゲタミンなんて寝る前赤と白3錠他の薬と飲んでたっけ。飲んでも変わらないから何飲んでたかさえ覚えていないのもある。

No title

死んでてもおかしくなかったね。
プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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