CYP

CYPとは何か、患者さんや家族だと知っている人はまずいないだろう。医師でさえ知っている人はほとんどおらず、薬剤師であっても実は同じである。薬剤師は知っていると思っている人がいるのだが、知っているのは薬学部の講師くらいで、現実的には多くの人が知らない。簡単にいえばCYPとは薬剤を肝臓で代謝するための酵素であり、CYPの後に数字などがつくことで区別される。どの薬剤がどの酵素によって分解されたり、どの薬剤が酵素の働きを強めたり弱めたりするかは、ある程度現代科学でわかっており、薬物代謝を学ぶ上では基本ということが言えよう。

実は私はこのCYPをあまり重視していなかったし、いまでもそんなに重視してない。一応基礎理論は覚えたが、いまだ詳しくは知らないわけである。これを知らなくても今の自分の処方体系(漢方主体、使っても精神薬単剤か、頓服)には影響があまりないからだ。その上薬物代謝は肝臓だけで行われるわけではないし、腎臓、腸や肝臓の循環の関係も考える必要があるから、それだけに拘泥しても意味がない。しかしこの理論は多剤処方だけでなく、2種3種でも、精神薬の副作用や恐ろしさを暴くときには素晴らしい武器となる。

例えばルボックスという有名な薬がある。うつや強迫のために使われるとされるSSRIだが、この薬はCYP3A4、CYP1A2、CYP2C19、CYP2D6という複数の酵素を阻害する、要するに働かなくさせる。ここにあげた四種の酵素は他の精神薬を分解する酵素だと思ってもらえばよい。そうするとどうなるか、ルボックスと併用された薬物は分解されず体の中に溜まっていく、そうすると副作用出現率が高まるという構図をたどるわけだ。

この理論によると、つまり薬学の基本中の基本によると、ルボックスを中心とした処方はほとんど使えなくなり、またルボックス+デパケンとかルボックス+ワイパックスとかリスパダール+ルボックスなどの、一部の医師が使っている発達障害用処方は、極悪処方ということになる。ルボックスは単剤が絶対という結論に至るわけだ。では絶対使えないか、効果がないかといえば、そうでもないところが難しいところだと思う。前は私もこの処方組み合わせを使うことがあったし、それで患者さんに手ごたえを示されたこともあった。しかし全体的にみてみると、その割合はかなり低いことがわかってきた。効いていると思っているのは実は周囲、もしくは本人の偏った判断で、無理やり薬物でハイにさせているのを効いていると判断していることが多い。

吉尾隆氏(この人がまともな精神科医かは知らないが)が記した「精神科薬物治療とアドヒアランス」には、日本の精神科病院におけるメジャー投与の平均値は873であり、上は9000近くになるという。確かに僕はそういうケースを多数見てきた。そういうケースの中では、素人的に言ってこのCYP理論はあまり意味なくなる。余りにアホな処方のためそういう理論をどうこういう次元ではなくなるからだ。この理論は3種から5種くらいの処方で弊害が出ている人を、納得させるために有効な理論なのではないか?と最近は思っている。

精神薬とはいろんな意味で怖さが際立つ代物だが、その逆として最近僕はレシチンという物質に注目している。神津氏が日本で特に宣伝している物質だが、利点としては栄養素に近いため、副作用がやはり少ない、ほとんどゼロと言ってよいと思う。レシチンを摂取することによって脳からα波がでることも、科学的に証明されている。逆に欠点と言えばやはり重症の人には効果がないということだと思う。レシチンでも他の栄養素でもそうだが、それを信じたり宣伝している人は過剰にその物質を信じる傾向があるので、そういうところが栄養学分野の信頼性を、逆に下げてしまっていると私は思うのでそこが残念だ。場合によってうまく使い分けることこそ示してくれると、もっと使用する人は増えると思うのだが・・・

今の心療内科、精神科で利用できるもの、やばいもの、諸刃の剣的なもの、というのは大分見えてきたのではないだろうか。これらを含めた真の精神医学的教科書が作れればいいのにと思う今日この頃だが、私が一人で書いても誰も買わないし、かといって今の精神医学の教科書はオワリキッテルしさてどうしたものだろうか?
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No title

要約すると、精神科医は、全く薬物理論の基本も守ってない。
そういうことでよろしいのでしょうか?どうしてそうなってしまうのでしょうか?

No title

東洋医さんはルボックスとデパケンのような処方を、本に載せておられるはずです。このブログだとそれは間違いであった、というふうにこちらからはとらえられてしまいます。実際どう考えられているのでしょうか?真意を教えていただけると嬉しいのですが、難しいのでしょうか?

気が付いたから、治療のやり方を変えた、薬物の害がわかってきたというのは、とても素晴らしいことですね。

ネチネチと過去の事をいう変な奴らに負けないで、がんばってください。

「真意を教えて」ですか。真意は結局変化してゆくというか、誰にもわかっていないし
誰かに教えてもらうよりも自分自身で判断
なのではないのでしょうか?

教科書を丸のみにしてすべて正しいということも世の中にはないですし

No title

23:48さんへ:
確かにおっしゃる通りです。それで良くなる人もいたことは事実です。しかし総括してみると、リスクが大きい処方形態であり、悪くなった人がたくさんいました。しかもこれをすすめる人たちは、これが絶対のような口ぶりで話します。この処方がいい、というすすめ自体が一つの洗脳だと気づいたので、自戒を込めて間違いだというようにいっています。所詮いい精神薬の使用法なんてのは存在しないと、多くのセカンドオピニオンにより感じたということです。前の僕は精神科の教科書までは疑ってなかったので。

No title

私もことらでデパケン+ルボックスを飲みましたよ。

ネットで謝るなんてずるいよ。

No title

レシチンが豊富に含まれている食べ物には、卵黄、大豆、穀類、ゴマ油、コーン油、小魚、レバー、ウナギなどがあげられます(引用)

食事や栄養を考えることは、大変良いことと思いますが、栄養療法や高額なサプリは金儲け主義ですね。周知のごとく栄養療法を行っているクリニックは薬代で儲けない代わりに、サプリで儲けて、経営をはかっています。裏を返せば、病院経営は大変だと言うことです。全体的に考えてみても、病院と言うところは、患者=顧客確保に必死なのです。個人的見解として患者は先見の明が必要で、医者の言うことは参考程度にして、あらゆる情報を確保、吟味し自分にとって何がいいのか取捨選択していく必要があると考えます。

No title

>医者の仕事はその人を癒すことだ、医者が全てを救ってくれる、と多くの人が思っているようですが、
>これは明らかに違うと思っています。

>もしそのような職業があるとすれば、それは神父さんだったりスピリッチュアルカウンセラーくらいでしょう。
>その前にある患者さんを、真に癒すことができるのは、親と伴侶と親友くらいのものなのです。
>精神を扱う医者とは、関わる人たちに違う事実や考えを示したり提示すること、
>薬を使うなら今より一歩でもよくすること、
>薬以外の方法があるならそれを提示してあげること、
>たとえ嫌われても誰かが言わなければいけないことを言うこと、
>休む事をすすめたり診断書を書く事、他の専門家につないであげること、その程度だと思っています。
>そういう割り切りをしているから、攻撃したい人も増えるのでしょうね

その通りだと思います。
おかしいのは攻撃する人たちでしょう。

精神科医自身が病んでる場合が多いですし、
依存、共依存の関係に陥るケースもあり
両者は機能不全家庭に育ったケースが多い

共依存者は自尊心が低いため、
相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、
共依存関係を形成し続けることが多いです。

この関係に陥らないように
患者やその家族とは、東洋医師のようにある程度、距離をとるべきです。

ルボックス+デパケンの組み合わせが、極悪処方とは知らなかった。どうりで、回復する人いないわけだ。
一人で教科書執筆されてみたらどうですか?購入する人いると思います。

癒してくれる友達や親や伴侶がいれば、精神科医に依存することはないだろう。
依存する患者や家族の心理状態は宗教に群がる信者と同じさ。

役に立たなくてくだらない精神医学と同じにしないでくれ。

と、仏教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が起こるかも知れませんね。
プロフィール

キチガイ医

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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