コミュニティキャンパスの小西勝之氏と会って

今回も非常に興味深い方と話す機会を得た。大阪府吹田市にあるコミュニティキャンパス(通称コミキャン)という施設の、前理事長小西氏である。コミュニティキャンパスと小西氏の自評については下記にまとめてみた。その上で自分の感想を書いてみることにする。

「コミュキャンとは?」

15年以上にわたり、3種の障害者(身体、知的、精神)の全て、しかもすべて病院に見捨てられたレベルの人たちを受け入れ、社会復帰・職場復帰に至る支援活動をしている。
1~3段階までの重症度で施設化されているが、きれいとは程遠い、野戦施設である。
シンプルながら人間にとって極めて大切なもの」を提供しようとする場であり、投薬治療とは無関係。
そのシンプルなものとは人間同士の暗部も含めた、つながり、しのぎあい、もみあいである。
地域では最初差別的に扱われたが、今は警察などとも連携できるようになっている。理事長が施設をやめるといったら、市役所や警察がそれを止めたらしい。こういう場所がなくなるのが、困るのである。
施設には、精気を失ってベッドに横たわったままの利用者もいるが特に治療されない(スタッフが声かけなどはするが)。ケンカして殴り合うこともある。利用者と警察ややくざがトラブルを起こして、のりこまれてくることも日常的である。
ここでも親子の問題は多い。多くの親が厄介払いのためにコミキャンに子供を置いていきながら、なにかあると真っ先にクレームを言ってくる。しかしそんなものは意に介さない強さがある。
ホームレスとのつながりも深い。
スタッフと利用者の違いなど精神的、知能的に大差ないと、当の理事長がいう。その関係性や未熟さこそがコミュキャンを支えている。
コミュキャンには共産主義の人もいれば、創価学会の人もいる。ほかの宗教や団体の人もいてごちゃ混ぜである。こういう団体の上層部は皆ダメだが、現場にいる人たちはまあまあだと小西氏はいう。

「小西氏とは?」
自らを「乞食」「キチガイ」「クレイジー」と言って憚らない全共闘世代である。なので障害者という「くくり」やお役所や世間が勝手に決めたものは全く意に介さない。
自分は全く無学だという。実際勉強はしたことがないし、精神医学の知識もないと明言する。
社会的にもまれてはじめて、人間は立ち直ったり良くなったりすると考える。野垂れ死にも結構だと考える。
精神薬は飲みたい人が飲めばいいし、無理にはすすめないというスタンス。そこには本人が薬を選択するかどうかという視点が欠かせないと考える。
「普通」や「民主主義」や「資本主義」には興味がない、というより奴隷生活であるととらえている。
今の人たちには反逆心、反骨心がなくなっていると感じる。その部分でも奴隷的な人が増えたととらえている。
重度の精神障害者やホームレスの人たちのほうが気が合う。彼らが変化したときのドラマがうれしくて活動しているという。
利用者が抱えるトラブルへの対応法が、一般とはかなり違う。例えば首つり自殺しようとしている人がいれば、止めるのではなく足を引っ張って手伝おうとする(そうすると自殺しようとしなくなる)。恨みから放火しようとする人がいれば一緒に放火しに行こうという(そうすると行かなくなる)。妄想があればもっと大きな妄想の話をする(小西さんのほうが頭がおかしいと思ってつまらない妄想を抱かなくなる)。いき倒れの人がいても点滴などすすめずほっておく。利用者がやくざとトラブルをおこせば「怖い」とか「ダメ」とか考えるのではなく、「ありがたい」ととらえる(やくざが脅して彼らの行動障害をふせいでくれるから)。
自然な営みから人間がずれすぎたことを警鐘する。原発などを典型例ととらえる。
本気で自殺したい人はすればよいと思う。小西氏はどこまでも本人の意思を尊重する(薬によるものや突発的なものは否定するが)。すべては自分の責任、自分の選択である。

彼はおせじにもきれいな格好ではなく、自称する通り乞食的イメージが強い。しかし彼は知識者ではないかもしれないが、賢者であるというのが私の率直な感想だ。一種の悟りをもっていて、彼からしてみれば、私など堅実な医師の一人、一般人であり、資本主義の奴隷にしか過ぎなかろう。しかし彼が唱える思想や、利用者へのアプローチには共感できるところが多い。はっきりいって薬や精神医学についてはCCHRに共鳴点が多かったが、哲学的には今までで一番共感できた。特に自らの責任と自らの選択を強調する点と、社会にもまれてることが唯一改善の道筋という考えは最も共感できた。

彼はすすんで悪役、憎まれ役を買って出ていると思う。「精神疾患というウソ」の記事に自分の最近の思想はのせたが、精神病などないという点でもいろいろと共通点が見出せるのではないか。彼は精神症状などというものはすべてに背景があって、「なぜ」がわかればよくなるという。脳の病気とはとらえていないのである。そしてそれを完全に利用者と同じ立場にたって、自由な発想のもと、自主自尊的に、自立的にすすめるところがすごい、というより真似できないと感じた。その上でその次に社会との折り合いをつけていく。助けてあげようではない。そんなことをしたら、本人の自然治癒力が発揮されなくなることを、彼は本能や経験で知っているのだ。

彼と会って僕の人でなし度数とクレイジー度数もさらに上がるのではないかと感じた次第である。

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No title

自分は、ほったらかしの方が、安心します。
自由にやってくれって方が。
それで、納得してます。

そうすると次は戸塚ヨットスクールですね。

No title

精神病などというものは存在しません。すべては作られた幻想です。人間が精神的に苦しいことはすべて必然であり、病気ではないので、薬を飲んでも意味ありません。

No title

自然の営みは大切。
ほとんどのものは自然治癒力で治るもの。
精神薬は治癒力を妨げ、みせかけで落ち着くのみ。

No title

最近子供が不都合だから、言うことを聞かないから、自分の理解できない言動をとるから、親が不安だからという理由で、子供に精神薬を飲ませるケーうが増えています。親たちはかわいそうだから、普通になるためだから、心が落ち着くからと言い訳して飲ませます。
子供じゃなく親が飲めと言いたい!
こういうのを隠れ虐待と言います。

No title

その通りですが、実際に親が飲んだとしたら
親は薬物で凶暴になり子を殺したり肉体的に虐待をするかもしれません。
もしくは、親が気が変になっていき子育て出来なくなり廃人に近づいていくとか
言動が不自然とか。
そういう末路が、子供の幸せにはつながらないと思いますよ。

結局の所、流通経路を断つのが解決策です。

あの~、病気だから薬を飲ませば良くなるといっているのは東洋医さんを含め、医師ですよ。親はそれに従ってるだけです。

No title

22:39さんへ:
仰る通りですよ。実際には親に飲んでもらう気などありません。飲みたい人なら飲んでもらって構いませんが、そういう親たちは自分が経験しない限り、薬の怖さや功罪などわからない人である事もまた事実です。人権団体系や完全反対派や自然派系の人は薬物を全否定しますが、私はそこまでしているわけではありません。皆にやめるよう説得していますが、薬物中毒だといってもやめない人がいて、初診で怖い副作用を説明しても飲みたい人がいて、精神薬で非常に助かって不調を脱する人も確かにいる。すべては当人の選択だと思ってます。そもそも論でいえばこの世の薬の害悪なんて、精神薬にとどまりません。過半数はいらないかむしろ悪い薬だというのはおそらく同意見でしょうし、薬と精神科に全ての責任を押し付けるやり方は、笠陽一郎なんかがやったやり方と同じでしかありません。仮想敵を大きくするやり方ですね。

22:47さんへ
これは全く違いますね。確かに病気と決めつけ、薬だけという医者が非常に多い事は確かですが、そういう医者でなくても同様の事は多数起こってます。親たちは口をそろえて言います、「この子が普通じゃない」「(自分が)不安なんでなんとかしてください」「なんかあったら責任とれるんですか、薬で何とかしてください」って。多剤医者と親が組めば共同虐待はたやすいし、そうじゃなければ親はだいたい責任論か感情論でせめてきます。私みたいに親とケンカするのが嫌なので、薬を出してやり過ごしているだけ。親は医者のいうことなんて聞きません(強迫的な患者の親なんですから患者より上です)。精神科の多くの医者は精神薬で良くなるなんて思っていないんですよ。金づるだと思っているか、どうせ精神なんてよくなるわけないと思いながら薬でごまかしているか、残りが本気で製薬会社を信じているただのアホです。でも前二つを正直に言えないので、良くなるとウソを言っているだけです。だって精神症状は患者が未熟なためとか、親の育て方が悪いからとか正直にいったら、クレームしか返ってきませんから。

これは精神科医を弁護しているわけではありませんので、そこだけ誤解なきようお願いします。私はもう世の中の医者の大半を敵に回してますので・・・

薬や精神科に責任を押し付け、仮想敵に怒りをぶつけてる。
子どもをほったらかしにして、運動に借り出され、自分たちの正義を主張して熱狂してる親たちはうんざりだ。
不登校になったり精神疾患になったのは、まず自分たち親のせいだということを省みず、学校や社会や政治や精神科に責任転嫁しとる。

No title

その通りだけど、親のせいなんて言ったらどんなクレームつけるかわからんから誰も言わないだけ。
自閉症が親のせいではないというCM、幼児薬物問題、精神分裂病が統合失調症に名前変更されたこと、早期発見早期介入問題。全部家族会は関係しています。真の目的は自分たちを守るため、恐ろしい組織です。

脳味噌がメルトダウンしてるのは、毒親たちのほうだ~!

なるほど

こうゆう方なんですね。
すごく共感できますね。
明日が楽しみです(*^^)v

すごい経歴の人ですねw

自伝書書いたらすごいんじゃないでしょうか?
裏過ぎて、映画の主人公のような方でしたw

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プロフィール

キチガイ医

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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