セカンドオピニオンが抱える功罪について

今回は3.です。

今までの内容とかぶる部分もあるため、その辺は軽くまとめる形になるかもしれません。
その中で私が考える功と罪を率直に述べてみたいと思います。
功についてはもはや述べることも少ないかもしれません。いわゆる多剤大量療法への批判、
誤診への啓発(私は近日この言葉を使いませんが)などは笠氏の最も大きな功でした。
日本全体に認知療法をしかけ、精神科や権威に対する妄信を取り払おうとしたといえます。
私は多剤療法については同じ意見を保ちながら、誤診というより過剰診断への警告と、発達障害など先天的要素、性格的要素をより重視してきたつもりでした。また自己評価ながら難治例に潜む家族関係の大きな問題や、薬剤過敏性を逆に利用した漢方応用法は、賛否あるものの価値があると自負しています。笠氏、私に限らず心療内科や精神科的問題は精神だけでは解決できず、社会、コミュニティ、法律、政治、福祉、哲学、心理学、宗教学などが密接に関係しているという点でも一致していたと思います。とらえ方はかなり違っていましたが、これらを束ねようと生活を削って努力してきた地上さんは、誰よりも評価されねばならないと思います。

しかしここでこれ以上功を述べても仕方ありません。罪の部分を分析して、患者、医療者の個性にあわせてそれぞれなにができるかを模索しなければ、この活動は何の意味もなく終わってしまうでしょう。その分析から導き出される差異こそが、私をセカンドから決別させ、違う道を歩もうとしている理由ともいえますので。

セカンド全体でまず大きな罪としては、やはり減らして悪くなった人が相当数いたということがあげられます(もちろん良くなった方が圧倒的に多いのですが)。ゴキブリ総括にも数字は載っていましたが、私もデータは持っておりこれについてはシンポジウムで詳しく述べるつもりです。ゴキブリ総括よりもっと詳しく数も多いデータを挙げる予定でいます。悪化についてはセカンド関係医療者の大半が反省しているようで、例えばCP50~100くらいは残すべきではないか、という意見が多くなった時期もありました。これらをもっと詳しく見極める方法がないか、我々は考えねばなりません。

次にあげれる罪は反精神医学を助長したことです。私、笠氏、地上氏全員反精神医学者ではありませんが、結果的に両氏がそこに加担したかのような印象を持つことは否定できません。一部私が糾弾した部分でもあり、書き込みを自由化し、反精神医学的サイトであるかどうかが不鮮明なため、極端な人の極端な反精神医学を許容する結果となってしまいました。それを見る人も影響を受けやすい人々の可能性が高いわけですから、それはそのまま刷り込みとなっていきます。実際のところ何があっても薬をやめてほしい、薬を飲む前から精神病症状があってもおかまいなしですべて薬のせい、親が恥ずかしいから統合失調症の病名をはずしたい、発達障害の病名は親も病気と認めるようなもので認められない、などを訴えて訪れる患者さんや家族は激増しました。この訴えの構図は患者会と家族会の構図に似ており、このような人々にとって思想的にセカンドという存在が、病気の悪化を助長していていたことは否めない事実です。私はこのような人々をセカンドオピニオン症候群とよんでいます。体裁のため薬を多量に服用させる家族もいれば、薬を飲んでよくなる幻覚に対しても、内服させないまま苦しいままにさせている家族は多数いるのです。

精神医療界と壁を作りすぎたという罪もあります。いろいろと業界の批判を述べても、結局入院に頼らざるを得ない場合がありますし、その場合否定しつくしてきた精神科医に頼らざるを得ないわけです。彼らだって人間ですから信賞必罰ならまだしも、セカンド以外の医者はすべてクズのような批判、扱いをされ、協力してくれるわけありません。私より性格がいい精神科医の先生はたくさんいるのが現実であり、ではどうしてそういう人たちでも多剤に走ることがあるのか、そこから考えなければ話はすすみませんし、その多剤が結局何も生み出さないことを我々はデータとして彼らに示して、議論していかなければいけないステップに入っているのではないでしょうか。あるセカンド医はそんなことを無駄だと切り捨てますが、私は決して無駄だとは思っていません。全員が味方にならなくても半分は理解を示してくれる、それくらいは期待しています。

これはシンポジウムに関してもいえることで、なぜ精神科医を参加させないのかよく聞かれます。しかし彼らとセカンド側には今溝が大きすぎるし、なんの緩衝剤もありません。
セカンド側が自分たちだけ絶対と主張してもこの話題は堂々めぐりであり、それを少しでも緩和しなければ会話も成立しないと私は考えました。そのため今回精神科医は出てもらわず、セカンドの功罪というテーマを主題とし、もし二回目があるなら必ず精神科医の大家を呼んで、議論できればと考えています。

急進的な人々の問題もありますが、そもそも彼らは非常に重症であって、彼らに笠イズムやゴキブリイズムをもちこむことは決して悪くないと私も思っています。問題はセカンドに相談してくる人の大部分は、彼らに比せば実は軽症であり、薬剤調節と環境調節でかなり良くなる人が多いということ、そしてそのような「普通の患者」(この言葉の功罪は別として)に関して笠イズムは毒が強すぎるし、その分離が全くできていないことを私は陰陽二極の罪ととらえているということです。 私がセカンドに関係するようになった動機付けは著書の通り、ここでいう「普通の患者」たちを薬漬けから抜け出させたかったということであり、真の重症者はそれこそ笠氏のような人にお任せしたいのです。セカンド急進派の極端流は一部の人しかついていけないレベルであると、多くの人が考えている事実を忘れてはいけません。そして笠陽一郎絶対主義が生まれた理由もそこにあると、誰かが指摘せねばならないと考えます。

まだ他にも罪はあるかもしれません。しかしそれもキリがないのでこのあたりで終わりとして今後どうしていくか考えていこうと思います。今私はセカンドに関係した人脈やシステムなどを失いましたが、それはもっと革新的な、もっと幅の広い活動ができるチャンスともとらえています。
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No title

//精神医療界と壁を作りすぎたという罪もあります。なんだかんだ言っても悪くなった場合
入院に頼らざるを得ない場合がありますし、その場合否定しつくしてきた精神科医に頼らざるを得ないわけです。彼らだって人間ですから信賞必罰ならまだしも、セカンド以外の医者はすべてクズみたいな扱いをされ、協力してくれるわけありません。私なんぞより性格がいい精神科医の先生はたくさんいるのです。ではどうしてそういう人たちでも多剤に走ることがあるのか、そこから考えなければ話はすすみませんし、その多剤が結局何も生み出さないことを我々はデータとして彼らに示して、議論していかなければいけないステップに入っているのではないでしょうか。あるセカンド医はそんなことを無駄だと切り捨てますが、私は決して無駄だとは思っていません。全員が味方にならなくても半分は理解を示してくれる、それくらいは期待しています。//
元々の診断基準が定性的な状況で、どのように客観的なデータを出せるか期待しています。

No title

東洋医さん、ご自身のブログですので、ある程度好き勝手に書いてもいいとは思いますが、あまり下品な表現は使わず、少し丸く表現した方が、読んでいる方としては、安心できます。
基本的に東洋医さんを応援していますので、今後、ご活動されるのに、無闇な敵や、誤解を与えないようによろしくお願いします。

下品な表現?

すみません。どの辺りが下品な表現なのでしょうか。
私が鈍感なのか、どうしてもわからないので。

No title

〉すみません。どの辺りが下品な表現なのでしょうか。
〉私が鈍感なのか、どうしてもわからないので。
私のことだったと思うのですが。(ファンデーション)
今後は普通の表現を心がけます。
(本当に頭に来た場合は別ですが。)

No title

このブログでは、まだ大丈夫ですが、品のない反論や煽りが続いたりすると、熱くなって売り言葉に買い言葉になりますので、これからのお願いとしてですかね。シンパ、カルトなどは、少し気をつけた方がいい部類かもしれません。

正直、地上さんが何がしたいのか、よく分かりません。誤診・誤治療問題対策といっても、その議論や他団体からの書き込みは嫌がりますし、ただの雑談掲示板にしたいのか、そうなればコミュニーティー広場と同様ですし。
それに掲示板の「王座」という表現もどうかとと思います(そういう心境で管理人をされているか)。何も力がない人でも、自分の掲示板だと、管理者として自由に情報操作や、善悪のレッテル貼りができますから、その心地の良さというのは、やはり「王座」なんでしょうね。管理人になってみないと分からないかもしれません。

ファンデーションさんは、素直な方ですね。

No title

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No title

ところで、新たにこれからどういう活動をするかなど具体的に知りたいのですが??

No title

この次のブログに書く予定です。
プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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