東洋医学と心療内科、精神科

この数年で私は精神薬の恐ろしさも、時にその素晴らしい効果も体験してきたわけだが、最近はさらに使う回数が減っているのを感じる。少なくとも地元の患者さんでセカンドオピニオンも、私の著書も活動も、精神科の怖さも何も知らない人の場合、ほとんど精神薬を出すことがなくなってしまった。出すとしてもまず一剤少量で、頓服として出す頻度のほうが高い。ところがまっさらな患者、いわゆる転院系のコンクリート固め患者さんでない場合、これで多くの人がよくなることに今更ながら驚きを感じている。

もちろんこれが成立するのは会話が成立するという前提である。だから西洋医学的病名であれば、うつ病や抑うつ神経症、非定型精神病や自律神経機能不全、月経や産褥精神病、身体表現性障害、(社会)不安障害、適応障害などがあてはまるのだろう。診断書にない病名だと季節感情障害とか、天候起因性の情緒障害などもあてはまる。逆に典型的な統合失調症的症状(いわゆる電磁波とか盗聴とか盗撮とか思考の伝播とか)であっても、普通に単一メジャーをCP50~300位の範囲で投与すれば、ほとんどよくなってしまう。これで良くならない人はやはり複雑な社会背景や家族背景を抱えていることが多いか、自閉性格的要素が相当強いようである。

これはクリニックレベルだからそうなるのかもしれないが(とはいえうちの重症度数はセカンドの関係上高いと思われる)、まっさら患者さんで、「逆に」より前の病名がつく患者さんは、100人いれば97~98人くらいはそうであるように感じる。「逆に」以降の内容を持つ患者さんは2~3人くらいしかこない。とすれば統合失調症と発達障害の鑑別は置いといても、私が統合失調症と診断する可能性がある人は全体で数人だということである。今40人に1人くらいが心療内科に訪れるというが、これだと多く見積もっても、統合失調症の診断をする可能性がある人は、2000人から3000人に一人ということになる。セカンドの人をいれてもこの数字はおそらく変わらない。これは全く教科書とはかけ離れていて、通常なら自分のほうがばかげていると思うしかない。セカンドをやる前は間違いなくそうだっただろう。

もう一つ言えるのはその「逆に」より前の病名が着く人は、精神薬がなかったりごく少量で治る人が多いわけなので、ほとんどが無駄に精神薬を飲んでいることになる。昨今精神薬の被害が取り沙汰されるのも、元をたどれば無駄な人に無駄な薬を飲ませているからに他ならない。もっといえばこの人たちは漢方さえ飲まないでも治る可能性がある。仕事で抑うつになったり不適応の問題があったりだと、診断書で休むだけで良くなるケースはざらである。これはまともな精神科医なら当たり前のこというな、といわれそうだが、これが当たり前でないから被害が叫ばれているわけだし・・・

つまりこれは日本中で増え続けている精神科、心療内科の大半は不要だということの証明でもあると思う。その人たちの中で精神薬を最終手段的に考え、投与できている人が一体どれくらいいるだろうか。私が知っている精神科医は最近運動療法に興味をもっているという。農業でよくなることを実践している精神科病院も存在する。これそのものはいいことだと思うが、極力精神薬を投与しない精神科医には、まだ一人もお目にかかったことがない。前回載せたある医師は、少しそれに近いかもしれないが・・・

漢方には気虚と気うつという言葉がある。精神科病名の中で、抗うつ薬が効くものと効かないものを、さも自分の功のように語る人がいるが、そんなことしなくても漢方が使われている大昔から、この鑑別は行われている。要するに気虚には抗うつ薬が有効だが、気うつに使えばおかしくなるのである。これも無駄に薬を飲ませている例の代表である。これは漢方を古典からやっている人ならだれでも理解できるが(だから私がエライわけでもなんでもない)、精神科医で漢方を使っている人でも理解している人をほとんどみかけない。

特に精神薬があまり意味なくて、漢方薬が有効に感じるのが、月経問題と季節性と天候性の感情障害である。月経の場合ひどい人は低用量ピルを使うが、これも結構効く。月経前統合失調症(という病名はないが)レベルの人でも効く人がいるのは興味深い。これらの場合、精神薬はむしろ悪くなるように感じる。個人的意見では動物本能の名残ではないかと思うので、自然物に近いもので対処したほうがいいのではないかと思う。漢方が効くことはそれを示唆している。

ただ、ここでいつも問題なのが、東洋医学やカウンセリングに過剰な期待をする人達である。これだけはいつもいつも述べたり書いたりしているが、理解する人は少ない。それが一番の悩みである。

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単剤少量メジャーで治療しても寛解しない患者さんは、東洋医者さんの言う通り、社会背景、家族背景、自閉的な性格が要因なことが多いと思います。
それを薬剤性精神病のせいだと何でも治療者を批判するのはどうかと思います。
たとえセレネース漬けになったとしても、単剤少量になり回復する患者さんが多い中、これで回復しない場合は、この要因を疑ったほうがいい。

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被災の状況を精神障害者はどの様に感じているのか?精神障害者は政治を批判したり崇高な事を言う人がいる。被災でトリアージがよく言われる。

11時24分です

すみません。こんな時に。批判して。東洋医さんや震災の地方の方々、頑張って下さい。

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精神科医が信頼出来ない状態と西洋薬への不信感が重なり
何を信じていいのか分かりません
副作用ばかりで余計落ち込む原因にはなってしまいました。

No title

>きなこさんへ
一体どこに信頼できる精神医学などというものが「存在」するでしょう?それは精神医学にとどまらず西洋医学の大半や、東洋医学も部分的には同じです。栄養学も同じです。この世に信じるに足るようなものなど存在しません。信じれるのはただ一つ自分だけです。誰かや何かを信じること自体が間違いなのです。

人々が何かをすすめるとき、批判する時、肯定する時、必ず他人の思惑が存在します。良識的といわれる精神科医をすすめる人間たちは、生殺しや疾病利益や裏虐待を望みます。通常の精神医学をすすめる人間たちは利権や殺人病院の存続を期しています。何かを質問してくる人間たちはその何かに答えてほしいわけでもありません。身体医学も無駄なもののオンパレード、栄養学も高価で金儲けが横行してます。東洋医学とて同じです。

No title

14:44さんのコメントを読んで、この場合の患者さんには、
マイナートランキライザーが適用されるのでしょうか。

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プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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