集計途中の数症例について2

前回は良くなった人の話だったので、今回は良くならなかった人、悪くなった人などの話を出してみよう。市井の精神科医からすれば「それみたことか!」と言われそうな内容ばかりだが、失敗を表していくことも大事なことだと思うので載せてみた。せめて患者さんとしてみている人は「それみたことか」という批判はしないでいただければ幸いかと思う。医療者でみている人がいれば、それは遠慮なく東洋医を叩いてやってください。

① 皇族妄想や母親への被害妄想があって統合失調症といわれた方。
リス7mg ジプ20mgデパケン600mg レンドルミン0.25mg アキネトン2mg
典型的過鎮静で減薬希望だったが、CPが200程度になると妄想、多弁、親への暴力など強くでる。戻せば落ち着くが、スタビライザーなどは全く効かず、親がついていけなくなり来なくなる。結果的にみてCP600前後が一番落ち着いていたようだが・・・

② BPDといわれ入退院を多数繰り返している方。表面的論理性は保たれ、知能的にも悪くない。ただ夫からの情報として、すべての病院で思い通りにならないとキレるらしい。
ワイパックス、アモキサン、パキシル、レンドルミン、ラボナ、レスリン、ユーロジン、ウルソ、グリチロン、タケプロン、漢方、市販薬や健康食品も四種飲んでいた。自分でもOCSDという自覚がある。しかしやはりこの患者さんは、すべて自分の思い通りに処方をコントロールできないと気が済まず、かつ悪くなれば医師のせいとなるため、私とは合わないと言って去っていった。本来薬など飲まないほうがよかったのだろうが、減薬さえできないままだった。

③ うつ病と統合失調症という病名がなぜか並列している方。買い物中毒やお金を盗む、お金のため親を脅すなどが主症状。ルーラン32mg、タスモリン3mg、エチカーム2mg、マイスリー5mg、デパケン400mg
この処方だと症状は落ち着く(というよりしんどいだけだろうが)ものの、結局減らせばまたこれらの行動を行うことになり、元に戻されそうな雰囲気を感じたのか来院しなくなった。

④ 前医 統合失調症 当院ADHD+LD、IQ70程度の方。
リス6mg テグレトール600mg、ユーパン0.5mg、ドラール15mg
当院ではリス1.25mgまでいったが、幻聴妄想思考解体すべて悪化してしまいリス2mgに戻す。ジプも使用したが効かず。行動がおかしいことに親も対処しきれず地元の病院に戻る。現状不明だがおそらく増やされているのだろう。結果からみるとリス4mgとテグレ200mgだけだった時が一番安定して副作用も少なかった。

⑤ うつ病といわれている方。
パキシル40mg、エビ18mg、ドラール30mg、ベゲA、アタP、ヒルナミン25mg、サインバルタ40mg、漢方、ウルソ、アシノン、プロテカジンと何をしたいかわからない内容。ECTも何十回やったかわからず毎月入院している。今でもたまにこれでいいのか聞きに来て、いいわけないというのだが、本人はECTやこの処方をある意味気に入っているのである(もちろん洗脳もあるが)。感情や記憶が消えることを強く望んでいるわけで、こちらからも手の出しようがない状態が続いている。

これらを振り返ってみて思うことは、精神薬ってホント根本的には効かないんだなということである。要するに強制的に抑え込むか無理やりハイにさせるだけである。またこれらのケースは薬を飲む前のまっさらな時から明確な症状があるので、薬のせいだけでこうなったという理屈は通用しないということである。こういう人々をどうするかという明快な理屈なきまま、ただCCHRのように薬だけ否定しても彼らが信用されることはないと思う。薬の害について同意すべき点は多々あるが、ではどうするかが全くないのである。さらにこういう場合にカウンセリングも効果はない。実際心理士のカウンセリングをされていたケースもあるし、親や周囲がかなり話を聞き、前医もよく話を聞いていたケースもあるが改善していない。また精神疾患の人は大人しい人が多いとか、犯罪率が少ないなどという話もあるが(割合的には正しいと思うが)、だからといって皆そういうわけでもなく、今回の例には犯罪まがいの話も多数あった。

精神科医の大半はこういう場合に、どうせ話しても無駄だし、かといって周囲の人間も対処できないのだから「がっつり抑えとけ」という発想から薬を増やす。増やされる方は嫌なわけだから、減薬的思想やHPに人気が集まるのは当然のことと思う。しかし減薬して成功するのはほとんどが内向的、内省的で自罰的な人である。真の意味での統合失調症に近い、他罰的な人はかなり多くの場合減薬された途端、「たが」が外れたように行動するものだ(すべてを薬のせいにする人達もそれと同質の精神性を持っていると言えなくもない)。その場合にどうするかをあらかじめ決めておかなければ、大体家族が後悔することになるのだ。実際これらのケースは周囲の人たちの対処力に疑問符の付く場面が多い。そして対処を精神科医に丸投げすることになるので負の連鎖が始まるわけだ。私は最近、改善や悪化の割合も説明し、もしもの場合どうするかをあらかじめ本人にも家族にも必ず決めさせている。そうするとなぜか減薬成功率が高まるのも興味深いことである。

私は、たとえどんな問題行動を起こしていても、本人が薬を飲みたいという人でないと決して出さない。薬でよくなるためには本人の納得度が不可欠だからである。そのために病識をもたせるということに全神経を集中する。薬はあまり増えないから抑えきれない人も当然いると思うが、精神領域なんてもともと「治らない領域」ではなかったか?どこかのHPで精神科医なんて薬屋にすぎないとか、診断書を書くだけとか、ちょっといい見方でも福祉のつなぎ役くらいにしか捉えられていないが、全くそれで外れていないと思う。内科や脳外科レベルの使い方をしていれば害なんてほとんど起こらないのにといつも思うのだ。世の中で簡単に困ったことを、精神科に持ち込むこと自体が間違いなのである。

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東洋医 内海 聡先生のブログから

内海 聡先生のブログ上で、「もう全くその通りですよ」というお言葉を見つけました。セカンドオピニオン、で有名なあの内海医師です。   >これらを振り返ってみて思うことは、精神薬ってホント根本的には効かないんだなということである。要するに強制的に抑...

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CCHRは、カウンセリングは患者を洗脳するだけの魔やかしと言っているのでCCHRと、東洋医さんは、気が合うかもしれませんね。
そもそも、CCHRの薦める栄養療法クリックと、漢方クリニックって、西洋か東洋かの栄養療法の違いであって、基本的に似たようなものです。
多剤大量処方を整理して、漢方やサプリで補う。
ただ天然抽出の高級サプリは、保険適用ができず、金銭的な負担が大きく、即効性体感できなければ、かなり叩かれることにはなります。
その辺、ツムラのおかげで、漢方医は助かっていると言えるでしょう。

カウンセリングは意味がないと言いますが、それはただ話しを聞いているだけだからです。適切な解決策の提示ができるのなら、多くの方は薬に頼らなくも済むようになると思います。
逆に言えば、薬が必要でない人でも、薬で解決させようとするのが、精神科です。
DVがあるなら、まずは警察につなげるべきです。そこでどうしても説得しても、暴力をしてしまうということなら、そこではじめて本人同意の元で薬を処方するべきです。
誤っても、統合失調症など適当な診断をして適当に薬を飲ますべきではありません。
本人はなぜ薬を飲んでいるのか、どういう病気か曖昧になってしまい、いつまでたっても改善しません。10年後、20年後に薬害だ誤診だと言い出しても後の祭りになります。

カウンセリングが不要という東洋医さんですが、適切なインフォームドコンセントにより成果が上がっていることを実感されていますよね。それなんですよね。大切なことは。
不要ではないのです。きちんと納得してもらい治療するのが必要なのです。ただ「うんうん」と話を聞いていても何にも役に立ちません。
効果がないなら、カウンセリングの手法が間違っているのです。これは他罰的ならず、改善すべきですね。

精神科は、貪欲に世の中の問題をなんでも精神病に取り込み、なんでも薬で解決するのではなく、育児の専門家、法律の専門家、警察のDV係などと協力して、できるかぎり薬に頼らない方法を模索する努力をすべきです。
それでも改善できない場合、本人の同意のもと薬物治療をすべきです。

精神科治療は、だまし討ちが一般的な手法ですので、その弊害で問題が大きくなってしまうのでしょうね。

別の掲示板で知ったことですが、○阪大学病院では、難治性の統合失調症だとして入院患者にcp換算で3000mgという抗精神病薬を飲ませているらしいです。
これでもまだ減った方で、多いときは、6000mgだったというのです。
ご家族の方は、国立の大学病院に預けているということで、日本での最先端で最良の治療を施しているという安心感や満足感を得ているのかもしれません。いえ、そう自らを納得させたいのだと思います。
一流の専門家に任せているのだから、間違があるはずない。そう思いたいのです。
患者さんと言えば、解離性障害と、統合失調症の上、認知障害もさらに併発されて、どこからが病気でどこから薬物性なのかは全くわからない状態。突然、意識が無くなり頭を強打して退院が伸びたということです。
そのご家族は、うすうす薬害だとわかっていても、精神保健福祉士の資格も取られており、精神医療を信頼することが、もっとも適切だと思っているようです。
患者さんご本人は、福祉関係社は信頼できないと言っているとのことです。
長い入院生活で、たいそう辛い思いをされてきたにだと思います。
私は患者さん、ご家族、どちらが頑ななこだわりがあるの分かりません。

クロザピンを処方され、毎日、妄想の数を数えて薬の効果を客観的なデータにしているようですが、過鎮静で会話できなくなれば、妄想の数も減ったようにみえます。
そんなデータが役に立つのでしょうか。
国立大学病院の精神科って、そんなにレベルの低いものでしょうか。
そうなれば精神医療の未来は、真っ暗闇です。

精神科医も他罰的な人より、自罰的人の方が伸びるようです。
自殺願望がある患者さんを、本人やご家族に忠告なく安易に減薬し、過鎮静が解け、実際に行動に起こしてしまったりしても、そもそも自殺願望がある患者本人の責任だと言ってしまうような医師は、他罰的で信頼は無くします。
他罰的は統合失調症的だということですので、その医師も統合失調症かもしれませんね。

過鎮静を無くせば、自殺や暴力の可能性が高まるのは当然です。
その可能性をきちんと本人、家族に説明すべきです。
他罰的な医師は、そういう重要な部分を端折ります。

No title

東洋医さんは、カウンセリングを否定しているわけではないと思うのですが、どうなんでしょうか?
コメント欄だけみていると、まるでそんな印象ですけれども、もともと続セカンドオピニオンの掲示板では、しつこいくらいに、カウンセリングをすすめていたと記憶しています。
東洋医さんのクリニックでも、心理士のカウンセリングをやっているようですし、グループカウンセリングもやっていると、書かれてあったかと記憶しています。
東洋医さんが、完璧でもなんでもないのは理解できますが、薬で害をあまり出さず、漢方も使ってくれる先生は貴重だと思います。いいかげん否定ばかりするのは、やめにしませんか?

否定ばかりしているのでは無いでしょう。
カウンセリング、インフォームドコンセントの重要性を書かれているのではないでしょうか。
私には東洋医さんに対する激励と読めるのですが…。
東洋医さんはカウンセリングをやってきて体して効果を上げられなかったということを書かれているのでしょう。
精神科医が鎮静化させるのも理由があるということです。

No title

おかげさまで難解なニーチェがやっと少しわかったような気がする。
それにしても頭のいい人だ。
教養の深さや洞察力はずば抜けてる。
精神科医にしておくのはもったいないですね。
この先生、【持ってる】!!!

No title

内科の方が気軽に抗うつ薬や安定剤出してるよ。整形なんて肩こりでデパスくれるよ。内科レベルの使い方でも問題ありでしょ?腎臓悪くてだるかっただけなのに、精神科紹介するレベルの低い内科医だっていた。一言で内科レベルの使い方なんてくくらないで。

No title

まさに仰る通りですね!

No title

リボトリールの禁断症状で死にそうです。

No title

統合失調症の患者さんや患者の家族には傾向として病識がない方が多いですがその場合も患者さんの訴えに従い減薬されますか?

どっちが妄想?

統合失調症=病識がない、ということのほうが、ほっとんど作り話であるってことを、いいかげん理解しましょ。。。
プロフィール

キチガイ医

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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