集計途中の数症例について

最近観念論的な話が多いので、薬の話をしてほしいという要望が一部からあった。今回はシンポのため集計している途中で、こういうケースがあったというのを書いてみたい。
個人が特定されないよう、かなり省略していることをご了承いただきたい。

① 前医診断 統合失調症 当院 おそらく非定型精神病
躁状態だったと思うと回顧、○○を発明できるという妄想があった。
ジプ 20mg ウィンタミン300mg リス6mg セレネース30mg アキネトン6mg
フルニトラゼパム2mg
→アレグラ60mg ツムラ57 62で悪化なし。減薬期間約一年、反動や離脱症状ほとんどなし

② 外国の方
日本の前医 統合失調症(薬貰わず) 外国へ帰国後 双極性障害 当院 非定型精神病
→帰国後処方 リス1mg 当院 リス0.8mg ツムラ24で順調。

③ 「不良会社」勤務から統失様状態になった方
前医診断 統合失調症 当院 発達障害に伴う昏迷
ジプ20mgで大悪化→メジャー使わず様子みるも改善せず、R医師「デパケンくらいしか思いつかない」
→悪化し入院、リス6mgで顕著に改善

④ 会社勤務 頭のもやもや感が主訴
自生思考、葛藤など出現→当院 発達協調性障害に伴う不適応。
産業医(指定医) シューブと判断、副作用があってもエビ6mgを飲むよう言われる。
→当院でリス0.1mgを飲み改善。
 
⑤ 10何年引きこもり、薬もいろいろ飲んだが効いた気がしない。副作用ばかり
前医 うつ病 当院 強迫性障害
→エビ 2mgで改善。


ちょっと考察を入れてみると、
①は典型的な多剤大量療法であるが、入院でなくこの量というのはさすがに最近減ってきた。この人は認知力も高く内省もしっかりできるタイプ。ここまで増やす医師も鬼だが、こういう人だと反動なく減薬できることが多い。
②は外国の対応の高さを感じたので掲載した。他国でも精神薬の商業主義が批判されているので一概にいえないだろうが、薬の量などは双方すり合わせながら決められた経緯が認められる。時間もかけてくれるがその分コストはかかるのが難点。日本人は今後どちらを選ぶのか・・・
③は途方に暮れていたケースで逆バージョンでもある。薬を有効に使えば効果のあることは確かに沢山あるのだが、有効でない時に引くことができないのが、現精神医療界の大きな問題。この人がリス6mgで著名に改善したのは、経過から考えても驚きであった。
④は大から入るか小から入るか、製薬会社の規定薬量を基準とするか否かを考えてほしいため出した。これらは常に状況次第だが、安易に強く入れないよう注意できる医師を探したい。周囲への有害事象がなければ少量からはじめて、漢方的に飲む方がベターと思う。
⑤は統合失調症とはまるで違うが、エビが少量で効くことはよくある。この人は他の抗うつ薬は全て害でしかなかったらしい。なんでもメジャーが悪、抗うつ薬が悪と考える人は妄信家でしかない。精神薬が全部だめの人もいるだろうし、合うものが少ししかない人もいよう。カウンセリングを盲目的に求める人も多いが、カウンセリングには強いモチベーションと内省心がなければ改善にはたどりつかない。自分に合うもの、自分の「証」を見つけてほしいと思う。
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カウンセリングを否定する精神科医は非常に多いですが、そもそもまともな検査方法がない精神医療では、患者の症状を聞きだして、それに対して病名を診断し、薬を処方するというエピソード診断の方法しかありません。その症状を聞くことさえも、必要ないとして端折ってしまう医師がなんと多いこと。
そのため、誤診や誤処方が多発するのでしょう。
話しを聞くという行為をカウンセリング治療として、相手にモチベーションが必要だから、話すを聞かずにまずは薬物治療というにはどうかと。
今回は、よくなった例ばかりですが、悪くなった例もあるのではないでしょうか。
そういう患者は、迷惑な患者として切り捨てているのでしょうか。

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プロフィール

Author:キチガイ医
平成25年4月よりTokyo DDCとNPO法人薬害研究センターを設立、平成28年1月からはうつ民のセレクトショップや無料メルマガもやってます(詳しくはリンクをご覧ください)。薬の減薬や断薬、支援施設運営や、執筆や啓蒙活動を通して、自分の素人的意見を発信していければと思います。当ブログはリンクフリーですが、リンクするときは一声おかけください。

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